下部尿路機能障害に関する研究
下部尿路機能障害(排尿/蓄尿障害)
前立腺肥大症や過活動膀胱は中高年以降に男女に多くみられ、生活の質(QOL)を大きく低下させます。そのため、これらの病気は、高齢化社会を迎えた我が国において大きな問題と位置付けられています。一方で、これらの疾患の病態解明や薬物治療における至適治療指針などはいまだ十分な研究が進んでいるとは言えません。当教室では、前立腺肥大症や過活動膀胱に対する薬物療法や手術療法の治療効果を予測する因子の同定および至適治療指針の確立、前立腺肥大症に対するより安全かつ効果的な手術手技の開発、女性の下部尿路閉塞/低活動膀胱における診断法の確立、難治性間質性膀胱炎に対するDMSO膀胱注入療法、ロボット支援前立腺全摘除術における術後の尿禁制を予測する因子の同定等を臨床研究テーマとして取り組んでいます。また、基礎研究としては、過活動膀胱の発症機序の解明と新規治療薬の開発、G蛋白結合型受容体の尿路上皮/上皮下間質細胞における発現とその機能病態解析、上部/下部尿路におけるβ3-アドレナリン受容体の発現とその機能解析、過活動膀胱や間質性膀胱炎における尿中バイオマーカーの新規開発とその臨床応用等を目指して、精力的に取り組んでいます。