アイコン HOME ▶ 研究紹介 ▶ 男性不妊に関する研究
アイコン

男性不妊に関する研究

 我が国において6組に1組の夫婦が不妊の状態にあるといわれており、その中で男性側に原因がある男性不妊が約半数を占めているとされています。射出精液内に正常精子を認めない無精子症の中で造精機能障害による非閉塞性無精子症の原因としては、下垂体-視床下部機能不全などによる低ゴナドトロピン性性腺機能低下症、染色体異常、精子成熟過程の障害(maturation arrest)などが挙げられますが、とくに後者では決定的な治療法がないのが現状です。近年、精巣内精子回収の手術手技の向上およびIVF-ETの技術向上もあり、高度男子不妊患者においても精巣内精子回収術(TESE)で挙児を得る可能性はありますが、自然妊娠により挙児を得ることが理想的であることは自明です。これまで当教室ではホルモン負荷試験による造精機能障害の鑑別や、maturation arrestにおいて成長ホルモンの誘導が有用であることを報告してきました。近年はアミノ酸代謝と造精機能障害の関連に着目し、附属病院不妊外来受診患者さんの協力を得ながら基礎データの集積および精漿・精巣検体の収集を行っています。順次詳細な解析を進め、男性不妊症における造精機能障害の治療成績向上に寄与する研究を進めたいと考えています。